元教員やるやんの考えるブログ

元教員のやるやんが教育について参考になれば、と情報を発信します

授業はセンス?違います。作戦と個性で闘うリングです

授業とは教員によって導入から展開まで異なるもの。それはセンスもありますが、様々な工夫と努力によって成り立っているもの。センスが無いと思っている方もいらっしゃいますが、自分の得意なフィールドを作り出す事によって良い授業に仕上げられます。

 

 

授業の中で大切なもの

 

授業を行う事で大切な要素は指導案と事前準備と前回のブログ記事で申しました。では授業の中で大切な事はどのような事でしょうか?それは、生徒の学力を上げる事も勿論ですが、興味を引き出す事にあります。学業を教えるので学力の向上をしてもらうための授業をするのは大切です。特に進学校ともなれば有名学校への進学率は重要です。しかし、教科への興味を引き出し、自ら学ぶ姿勢を整えてあげる事も必要です。そのため、ただ学力向上のためだけの授業では100点ではありません。それなら予備校や塾の講師の仕事分野になります。学校で働く教員であるためには、生徒の興味を引き出し勉強へのモチベーションを高められるように配慮できた授業を展開しなければなりません。

 

 

生徒を惹きつける授業とは

よく言われる生徒を惹きつける要素が含まれている授業とはどのようなものでしょうか?それは興味を引き出せている授業です。理想とされている授業を展開するためにはセンスが必要と思っていませんか?実際にはそのような事はありません。生徒の興味を引き出せている教員の授業は必ず努力と工夫によって成り立っています。センスの部分がある事は否定をする事が出来ません。しかし、センスがなくても生徒が楽しく学べる授業を作り出す事は可能です。そのための近道としては、自分が生徒の立場になり面白くない授業・楽しい授業を考えていく事がポイントです。

 

 

生徒の興味を狙い撃ち

生徒の興味を引き出すための工夫として行える事は、興味・関心を狙い撃ちする事です。導入時点でそれを行う事が出来れば、生徒は学習意欲が高まった状態で内容に取り組めます。と言っても簡単に現代の若者の興味ある事柄を狙い撃ちにする事は困難です。世代が違いますので私達には想像ができないもの。では、世代に関係なく、どの年齢層でも通用する導入を用意してみてはいかがでしょうか。

個人的に最も効果のあった狙い撃ち作戦はお金の話です。内容が汚いと思いましたか?でも実際に子供は少ないお小遣いでやりくりしているもの。お金は誰でも欲しいものですよ。私であれば情報科を担当していましたので、インターネットでお金を稼げる話を導入に持ってくる事で生徒の視線は教壇に釘付けにする事が出来ました。勿論、そこから先は授業の本題に繋がるように工夫はしていました。社会科であれば、話題になっている歴史ドラマなどのトレンドを取り入れる事も可能ですよね。

このように、世代に関係なく誰でも興味を持つような内容を導入に取り入れる事も一つの方法です。私はセンスがない人間でしたので、上手く授業の本題と重ねられる導入で惹きつける事は得意ではありませんでした。単元テーマと噛み合った導入であれば完璧ではありますが、まずは生徒が楽しく授業を受けられる姿勢を作り出すために、少し話題が逸れても興味・関心を引き出すポイントを探し出す事が重要です。

 

 

苦手分野は事前準備で潰す

教員は専門の教科がありますが、その全てをマスターしている訳ではありません。得意な分野・苦手な分野がある事は当たり前なのです。当然、授業をしていく上で苦手な分野を教える場面もあります。そのような時には事前準備でシミュレートした展開に持ち込めるようにしていきましょう。

苦手分野であれば板書も辛いものでしょう。例えば、授業プリントを作成している事によって板書量を極力減らす事も可能です。そして、覚えておくべき重要ポイントを絞ったプリントに仕上げている場合には、教科書のように余分な知識を伝達する必要がなく、プリントの内容に沿った展開を行えます。つまりは、重要ポイントのトーク内容を得意にできるように事前に私達が学習していれば良いのです。教員の世界も生涯、学習していくものです。苦手分野を克服するための勉強は必要ですよ。

 

 

後は個々のアレンジで!

生徒の興味・関心を引き出す導入もできるようになれば、展開も楽になります。苦手分野であっても事前準備によって一人前の授業は十分に行えます。しかし、それができれば100点の授業ではありません!確かに合格ラインを十分に超えている授業になります。でも足りないものがある。それはあなたの個性を活かした授業です。

「個性のある授業って何だ?」と考えてしまいますよね。難しく考えなくても良いものです。あなたの人間性が出てくるような授業に仕上げたらそれで100点です。

私の場合には、「笑顔で受けられる授業」を目指していたので、笑いの要素を盛り込んだ授業を極力目指していました。その笑いとは、私にしか考えられない内容になります。ボケが通用しなくても良いのです。私らしい授業になったのですから。

これは正しい答えがない課題です。しかし、難しく考えないで自然体で授業を行っていると個性は出てきます。生徒に

「先生の授業は大好き」

と言ってもらう事ができれば100点を確信できる瞬間です。その時点であなたにしかできない授業を展開できている事になります。自信を持ってこれからも教員として活躍して下さい。